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「はっはーん。さては好きな人が出来たんだ?」
図星を言われたのか、ウランは顔を真っ赤にして俯いた。
「へぇ~…って事は相手は人間の子なんだね」
アトムは、あまり関心を示していない様子でそう言う。
鍋におたまをを入れると、チョコレートを掬って一口舐めた。
「あー!!!ダメよ、お兄ちゃん!
吐き出して!錆びちゃうわよ!!!」
まさか口にするとは思ってもみなかったウランは、慌ててアトムにティッシュを差し出した。
アトムは受け取るとチョコレートを口から出した。
「大丈夫さ。ぼくの口は食べ物を入れても平気なように作られてるから。
でも食べる事は出来ないけどね」
アトムは笑いながら言うと、ウランは首を傾げた。
「じゃあ、なんで口に入れたの?」
「ちょっとした味見さ。
……?…なんか水分多いね…チョコ溶かすのに水なんて入れたっけ?」
アトムは目の前にあった調味料を次々に取り出し、小さな皿へ適量入れる。
ニトロはそのチョコレートを口に含み、「不味い」と漏らした。
「何よ!なんでアンタまで食べるの!?」
「おれはお前らと違って、食べ物を食べれるし、味も分かるからな!
人間として味見したまでだ」
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