純愛ソニック

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「すっかり兄らしくなったな。俺が初めて合った頃は、喧嘩ばかりしていたのに」 滅多に褒めないデルタに褒められ、また頬を染めるアトム。 照れ隠しに俯いた。 その時だった。 「キャー!!!」 「銀行強盗だぁ!!!」 賑わっていた町に悲鳴が木霊した。 和やかな雰囲気になっていたアトム達に緊張が走る。 アトムの瞳が車で逃げる銀行強盗を捕らえた。 「…!…あそこだ!!」 全速力で強盗犯を追いかける。 強盗達は電気銃でアトムを攻撃した。 「うわっと!!!……!?」 辛うじてかわしたが、何か異変に気がついた。 物体が二重に見える。 (……なんだ?視界にノイズが……) よろついていると、デルタがアトムを支える。 「大丈夫か、アトム!!」 「う、うん。早く犯人を捕まえなきゃ…!!」 そう言って再び強盗犯を追いかけ始めた。 「ちっ!まだ追って来やがる!!」 「ええい!!やっちまえ!!!」 電気銃を構え、アトム目掛けて放つ。 アトムはふらふらしながらも避け、車の前へ回り込んだ。 「えーい!!!」 ガシャーン!! 拳をつくり、車の前方を殴り込む。 たちまちペシャンコに潰れてしまった。 慌てて車から這い出る強盗犯達。 尚も逃げようと走り出すが、デルタが立ちはだかった。 「強奪罪にてお前達を逮捕する!!!」 「くっ!!!捕まってたまるかぁ!!!」 強盗犯は踵を返し、ノイズで弱っているアトムに目をつけた。 先程の電気銃より大きめな銃を取り出すと、狙いを定めて発砲した。 「よけろ!!アトム!!!」 デルタの叫びも空しく、アトムに強力な電気が直撃してしまった。 「うわぁああああ!!!!」 凄まじい電気音と光の中、アトムは意識を失った。 .
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