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アトムが気がついた時には、もう日付が変わっていた。
辺りを見回すと、自分の部屋だと理解した。
かけられた布団の一部が僅かに温かい。
恐らく先程までお茶の水が付き添っていたのだろう。
ぼんやり天井を見つめ、記憶を辿る。
何かを思い出したらしく、アトムは目を見開いた。
「いけない!!銀行強盗!!」
まだ動かぬ体を無理矢理起こそうと踏ん張る。
すると、部屋の扉が開いた。
「!!!アトム!まだ寝てなきゃ駄目だ!」
その声の大きさと意外な人物にびっくりして、アトムは顔面からベッドに崩れ落ちた。
「うわっぷ!!…デ、デルタ!!
どうしてここに……銀行強盗は!?」
混乱状態のアトムを落ち着かせようと、肩に手を置いた。
「大丈夫だ。あいつらは一人残らず逮捕したぞ。
…それより、ウラン達から聞いたが…メモリーデータの整理を、まともにしていなかったそうじゃないか」
「めっ…メモリーデータって…
睡眠不足って言ってよ」
「うるさい!!」
いつになく真剣な顔をしてデルタが怒鳴る。
アトムは目を丸くして、押し黙った。
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