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扉は吹っ飛び、アトム二世はバランスを崩した。
普通なら、ここで床に衝突し転がるはずだったが、一向に床へぶつかる感覚がない。
何故なら、ここは部屋ではなく、研究室へと続く空調だったのだ。
アトム二世がその事に気がついた頃には遅かった。
そのまま勢い良く落下してしまった。
「うわぁああああ!!!!」
急降下で落ちていく。
どこまでも深く深く。
あまりにも人間に近くなり過ぎたアトム二世は、パニックを起こしジェットを使う事を忘れていた。
ドスンッ
ようやく地に着いたらしく、硬く平たい場所に叩き付けられた。
「いったたたた…
ここは……何処なんだ…?」
体の調子を気にしながら立ち上がり、手足についた埃をはらう。
(科学省にこんな場所があったなんて…知らなかった)
そう思い、暗い穴蔵をサーチライトで辺りを照らしてみた。
「しめたっ!電気のスイッチを発見したぞ!」
今度こそ、ジェットを使ってスイッチに向う。
指でパチンと押してみた。
周りの電気が一斉につき、穴蔵は一瞬にして研究室へと風貌を変えた。
「………アレはなんだ……?」
コードが張り巡らされた研究室の真ん中に、でかく高い塔が建っている。
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