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その頂上には、なにやらカプセルが付いていた。
アトム二世は、ジェットでその高い塔の頂上にたどり着く。
カプセルには、穏やかな表情で眠る、アトムが入っていた。
「……な、なんだコイツ……
おれじゃないか!!!」
アトム二世は驚愕した。
アトムは、自分一人だと信じていたからだ。
「ふ、ふんっ!どーせ試作品だろ!!
だってコイツ、使ってる部品が古臭いし、皮膚だってさほど高級ではないし、それに……」
アトム二世はさらに批判しようと、アトムをまじまじと見つめた。
だが、見れば見るほど不思議と美しく見えてくる。
(……何なんだ、コイツ…材料も機能も能力も、遥かにおれの方が上なのに…
何故、コイツはこんなにも凛として美しいのだろう……)
無意識に、そっとカプセル越しにアトムの顔を撫でていた。
そんな自分に気が付き、慌ててカプセルから手を離す。
(な、何やっているんだおれは……!
コレはただの未完成品じゃないか!!)
大きく首を横に振り、自分を正気に戻した。
だが、一度見てしまうと目が離せなくなる。
(……でも、なんだか…コレ、欲しいな……)
そう思った時だった。
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