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しばらくは二人とも無言で歩いていた。
その空気に耐えられなくなった侑希が必死に話題を探した。
「そう言えば君……」
「紅輝です。」
「紅輝くん、」
「呼び捨てでかまいません。」
「………はぁ。
紅輝、昨日としゃべり方ちがくない?」
「興奮するとああなるんです。」
「そうですか………」
必死に探した話題はあまり効力をなさなかった。
歩くこと15分
「ねぇ、紅輝ん家ってこのへんなの?」
「そうですけど、どうして?」
「私もこのへんよく通るから……」
「へぇ、そうなんですか。」
歩くこと5分
そして行き着いた場所は侑希のアパートの前。
呆れた顔の侑希。
「ねぇ、ここ私ん家なんだけど……
きみん家行くんじゃないの?」
「なに言ってるんですか?さぁ行きますよ!」
そう言うと紅輝は一階の侑希の部屋に向かって行った。
「ちょッ!!そっち私の部屋!」
しかし紅輝はその部屋を過ぎ、一つ隣の部屋に入って行った。
「さぁ、ここですよ!早く!!!!」
侑希はとても驚いた。
お隣さんってだけでもビックリなのに、紅輝が入って行った部屋はなんと、
「ここ、大家さん家じゃん………」![image=115630861.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/115630861.jpg?width=800&format=jpg)
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