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「えッ?でも……」
「はい。僕は人間の姿をしています。」
「どうして?」
「いいですか?鬼道と言うのは術者の心に非常に影響されるのです。正の心なら鬼道は僕達自身に還元され、僕達の助けになってくれます。
しかし、負の心なら………!
肉体と精神は鬼道に支配され、恐ろしく、醜い鬼になってしまうのです。」
その話を聞きしゃべれない侑希。
そんな侑希を無視して紅輝は話を続けた。
「僕達はそんな奴らを“欲望が満たされず、常に欲望の飢渇に苦しむもの”と言う意を込めて、“餓鬼”とよんでいます。
昨日あなたが襲われた化け物のことですね。」
「全然鬼っぽくなかったじゃん!!」
「でしょうね。」
「でしょうねって!!」
「人を食べると、あぁなるんですよ。
欲望が満たされず、刺激がほしくなる。暴れだし、人を殺す。物足りずそれを食べる。
人間と鬼の細胞は本来水と油のようなもの。決して交わってはいけないもの。
鬼にとって人間の血肉は禁断の果実。口にしたら最後、完全に餓鬼に堕ちてしまいます。」
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