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紅輝の話によると、
人間の最も強い欲望、それは“生”への執着。
人は巨大な恐怖を目の前にした時、その執着は頂点に達する。
その極限の欲望をもった人間をそのまま食べる
それが、結果的の意味らしい。
しかし侑希にはまだ疑問があった。
「ねぇ……」
「はい?」
「なんでそんなすらすらと教えてくれるの?
記憶消せるんなら私の記憶、また消しちゃえばいいじゃん!」
「あなたが教えてくれっていったんでしょ?」
めんどくさそうに紅輝は答えた。
だが、侑希はそんな紅輝の顔を一生懸命無視して続けた。
「ッ………!
そ……そうだけど!!
」
「けど?……なんですか?」
「君の説明の仕方が分かりやすいんだよ!」
「いいじゃないですか。」
かんぱつ入れずに答える。
「いいんだけど…
説明がなれてるってことは今まで何度も説明してるってことでしょ?
と言うことはその分だけ君が鬼ってことはばれてるわけで、それなのに鬼の存在は明らかになってない!
ってことは記憶を消したんじゃないの?
自分の正体を知った人の記憶を!」
なかなか頭が切れる人だ。
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