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「まぁ、理由は二つあります。」
「一つは、一度記憶が蘇った者の記憶はけせないんです。」
「そうなの??」
「正確には効果が弱まってしまうってことなんですけど。」
「そして、もう一つ。
あなた餓鬼の存在をまのあたりにしてこれから普通にくらせますか?」
「なにが?」
「餓鬼の存在を知ったことで“死ぬ”と言うことが凄く身近に感じるようになってませんか?」
そのとうりだった。
侑希は図星をつかれた。
それを察知した紅輝は言った。
「当然でしょうね。
そして“死ぬ”が身近になるほど“生ヘの執着”は強くなる。」
「………だから餓鬼にも襲われやすい?」
「そうです。
餓鬼に人間を食わせる訳にはいかない。
いいですか?僕の側を離れないでくださいよ?
そうすれば餓鬼に襲われる確率は、グンと減ります。」
「じゃあ今までの人はどうなったの?離れちゃっていいの?
まだ君と一緒にいるの?」
「………死にました。」
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