第壱夜~赤い鬼~

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――現在9時ちょっと前―― 現在独り暮らし中の侑希にとってこの時間家を抜けるのは容易かった。 「あの時告白的なの期待してたのになぁ……」 そんなことを呟きながら走る しばらくして侑希は言った 「もうすこしだねぇ~。でも、満月だって言うのになんか暗い……」 満月を確認すると 「うわぁ…なんか赤くない?気味悪いな。…………ッ!」 侑希は後ろに気配を感じ、振り返った。 なにもない。 侑希はスピードを上げた。自分でも驚く位のスピードだった。 闇は人の恐怖を増加させる。 早く人に会いたい。 誰でもいいからそばにいて欲しい。 もっと明るい光が欲しい。 そんな思いが侑希の中でいっぱいになった。 やっとの思いで学校に着いた。 -不気味ぃ…そりゃ人体模型だって走るよ……- などと考える余裕も出てきた。 「?」 ………… 「なにこの音?」 グチャ、ピヂャ、グチョ…… 「えッ?なに!?」 そこには信じられない光景が広がっていた。
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