一章 風の強い日

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『ふう~結構食ったなぁ、ちょっとトイレ』 スノーは立ち上がると歩いて行った 『なあ 森田、なんで雪村はスノーなん?』 『光弘でいいよ、岡崎。雪村 貴之 名前に二回もユキが付くからさ、俺がスノーって付けた』 『ふ~ん…なるほどな、それでか』 『まあ それだけじゃないんだけどな』 『他には何があるだ』 光弘のグラスにビールを注ぎながらヤンが訊いた 『アイツはいつも冷静なんだ。熱くならないって言うか、なんと言うか。でも一緒に居てなごむんだ、優しさがあるのかな。だから 雪=スノーさ』 『…カッコイイこと言うだな光弘は』 スノーが戻ってきた 『何、語ってんだよみっちゃん。飲み過ぎなんじゃないの』 『お前のことを聞いとったんだわ、雪村』 『スノーでいいよ、みっちゃんは飲むと語りが長いからな』 『俺は地元の友達からは ヤン って呼ばれとる』 『ヤンねぇ、なんでだ?』 『う~ん……?知らん、いつ頃からかそう呼ばれとった』 ハハハッ 二人は笑った
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