一章 風の強い日

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飲んでいたグラスを置き少し考え 『…殴り合いに飽きただけさ。お前はまだやってるのか?』 『いや、辞めただ。家庭の事情でこっちに来てからは働いてるだ』 『…、そうなんだ』 『スノーとヤンの元天才ボクサーに乾杯だ』 光弘が二人に注ぎながら言った 『みっちゃん飲み過ぎだろ』 『何言ってんだスノー、ヤンの奢りだ好きなだけ飲め』 ヤンは苦笑いをしていた ゴホッ大将が咳払いをした時 ヤンはドキッとしたような顔でこちらを向き 『そろそろ、帰らねえだか』 『そうだな、そろそろ出ようか』 三人はそそくさと店を出た 『今日はご馳走になったな』 『いいだ お前らと飲めて楽しかっただ』 ヤンとはそれ以来友達になった
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