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少し考えてみたが
『……知らね』
『なっ何~』
『俺は知ってる。S高の岡崎と言えばスノーに並ぶ優勝候補の一人で、T県最強と言われてた奴だ』
光弘が言うと、ヤンは少し嬉しそうな表情で
『オッ お前よく知っとるがな』
光弘は知っていたが、やはり判らなかったので
『へ~そうなの、知らなかったよ。そんな奴がいたなんて』
『やっぱりお前はバカにしとるだか。なんならここで高校時代のインターハイ決勝やってもいいだで』
互いに眼が合う…フッ
『さっきは悪かったな。インターハイ決勝はなしだ、俺はボクシングを辞めたんだ』
そう言い立ち去ろうとした
『待てや、逃げるだか』
『やめとけ岡崎。スノーとヤリあえば二人ともどうなるか判るだろ』
光弘は目線をヤンの赤らんだ右腕に移した
『やってみんと分らんがや』
『もういいだろ。ヨソから来たもの同士、仲良くしようぜ』
パンッ!
レースの始まった音が聞こえた
スノーはもう遠くにいた
『俺達も行こうぜ』
気に入らなそうな顔をしてヤンも歩き出した
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