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陽色は暫く部屋で客の帰りを待っていた。
すると数分後、
ウゥ~~~~~~~
パトカーのサイレンが近付いて来て、
家の前で止まった。
「ピンポーン。」
インターホンが鳴る。
陽色がモニターを見ると、
制服姿の警察官が二人映っている。
あの野郎、やりやがったな!!
鎌田が自分も逮捕覚悟で警察を呼んだのだ。
窓からそっと表を覗くと、
パトカーが5台以上、
警察が少なく見積もっても20人以上は家の前にいた。
裏口を開け、
外階段があるか確認するが見当たらない。
しかし裏には警察の姿は見えない。
陽色「行くしかねえか…!」
陽色は意を決して3階から飛び降りた。
ドンッ!!
下は土だったが、激しい衝撃音が辺りに響いた。
そして足首に激痛が走る。
しかしここでグズグズしていたらすぐに捕まってしまう。
陽色は激痛を我慢してとりあえずその場を離れようとした。
その時、
音を聞いて表にいた警察官が数人裏に走ってきた。
足首の痛みは尋常ではなかったが、
陽色は何事もなかった顔をしてやり過ごそうとした。
警官「ちょっと!
あんた今ここで何してたんだ!!
今の音はなんだ!ちょっとこっちに来て。」
そう言うと警官は陽色をパトカーの中に誘導しようとしてきた。
陽色「ちょっと待てよ。俺はなんも関係ねえよ。
なんか見たってのか?フダはあんのか?」
警官「なんだ、
抵抗するか!貴様!」
自分の思い通りに出来なくて頭に来たのか、
若いその警官は顔を真っ赤に上気させ、
急に態度を豹変させ陽色の胸倉を掴んできた。
陽色「おい、てめぇ何してくれてんだ…!」
陽色もスイッチが入ってしまった。
両手で警官の襟をつかみ、頭突きを食らわせる。
警官「ぐわぁっ!」
陽色はさらによろめき屈んだ警察官の髪をつかんでひざ蹴りを食らわせた。
警官「なっ!!
なにしてんだこいつ!!
公妨っ公妨だー!!
確保しろ!!」
警官達が一斉に陽色に掴みかかってきた。
陽色「うらぁぁぁぁぁ!!」
陽色は掴みかかる手を振り払いながら暴れ続けたが、やがて十数人の警察官に取り押さえられ、地面に押し付けられた。
息ができない。
心臓が破裂しそうなほど激しく鳴っている。意識が遠くなる。
陽色「くそったれ……!!」
警官「離すなよ!!
今ワッパかけるから!!」
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