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慧「やっと起きた。ただいま。仕事終わったょ。」
2005年、夏。
それは焼けつくような暑さのある日の出来事だった。
陽色「おー、おかえり。今日はどうだった?」
慧は近所の保育園で保育士のアルバイトをしている。
元々は吉原の最高級ソープランドのナンバーワンで、
月に10日も働けば充分東京の一等地で最高級マンションに住み遊んで暮らせるだけの収入を得ていたが、陽色と出会ってからはスッパリと足を洗い、時給800円のアルバイトに精を出している。
慧「たっくんていう男の子がいてね、
その子が“せんせーこれあげる”って言って松ぼっくりをくれたの。
超カワイイんだよ!」
陽色「はは、そっか。よかったな。」
陽色は携帯電話着信履歴を見た。煌也から着信がある。おそらくジョイも一緒だ。
煌也は都内を主に縄張りとする武等派で知られるヤクザ、ジョイは残忍さではヤクザをもしのぐとの声も高いチャイニーズマフィアの一員である。
陽色もかなり喧嘩っ早いが、二人の性格の荒さはとても手が付けられず、3人でいると陽色が一番温厚に感じてしまうほどだ。
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