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処置室へと来た俺を待っていたのは20代後半の…体格の良い男の医師と…看護婦の助手。
ラグビーのフォアードの様な医師は…何やら怪しげな機材の乗ったワゴンを…
ベッドの横にセットして…挨拶もそこそこに…
立て膝のままの俺の左脚を観察して…
膝上10㌢辺りを触診しながら…骨の位置を探り…此処と目星を付けた場所へ……
マジックで印しを付けていく…。
場所が特定出来ると…看護婦から麻酔の注射を受け取り…馴れた様子で…
「少しチクッとしますよ~!…」
と言いながら局部麻酔を印しの付近に数ヶ所刺し…
暫くして…また触診しながら……
「触ってる感覚…解りますか~?…」
っと聞いて来た…最初は感覚があったのが次第に…解らなくなり…その旨を伝えると……
「麻酔が効いてきた様ですねっ!…では処置を始めます!…楽にしてて下さいねっ…。」
と語る医師の手には…日曜大工や工事現場で見る様な…電動ドライバーみたいな機械が…!!
そして…本来ドライバーが付いているハズの場所には!!
長いステンレスの針金の様な物が付いている!!
医師がその異様な機械を…脚に付いた印しへ慎重に合わせ…先の針金を刺して来た!…
痛みは感じ無いが刺さる感覚はある!!
俺は…心の中で……
「ヒエーッ!…キャー!…」…っと…声には出さないが…暴漢や殺人鬼に襲われた…
映画やドラマの被害者の様な悲鳴を上げていた…。
間もなく…針金は骨に達し…怪しげな機械のスイッチが入り………
「ウィーン!ウィーン!」…っとその手の機械音を発しながら…骨を貫通して行く…。
医師は俺の様子をみながら作業を進め…
「痛かったら言って下さいねっ!…」
等と声をかけるが…痛みは無いものの…貫通して行く異様な感覚や……
今自分の身に起きてる惨劇に…具合が悪くなる思いだった。
まぁー見なきゃ良いのだろうが…余りの衝撃な出来事に…目を反らす事さえ出来ずにいた。
やがて…針金は貫通して…俺の脚は見事に………
バーベキューになった…!!
その数時間後に…全身麻酔で…脚は伸ばされ……
目覚めた時は…病室へと戻っていた。
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