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「そうこなくっちゃあね。早速だけど最近、イタリアンギャングのボスが変わったんだ」
「そうなのか。それで勢力が増したと」
エスプレッソをもう一つ注文してから相槌をうった。
「ご名答。そしてそのボスはお前の身近にいる…僕だ」
言葉を聞いた瞬間、俺は吹き出した。
「お前が!?…ははははっ…なかなか笑えるジョークだな」
大笑いする俺とは対照的に、従兄弟は冷静かつ淡々と続ける。
「いいかジョバンニ。これから僕が言うことは真実だ…真剣に聞いてくれ。そして僕の頼みを聞いてほしい」
寒気がした。
こいつの目は真剣だ。
こいつの視線を通じて信念が俺の中に流入して来るのを感じた。
それ程までに彼の視線には強い意志が込められているんだろう。
「わかった…今からお前が話す事、全て信じると約束しよう。ジョルノ」
俺の従兄弟、ジョルノ・ジョバァーナ…幼い頃に知り合い互いに敬服しあって個々の人間性を高めあって来た間柄だ。
親族なんて言う堅苦しい関係ではなく、仲間やライバルにちかい存在。彼からの頼みとなると断れない。
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…俺はジョルノから全てを聞いた。
仲間の事、幹部のブチャラティの事、ボスの事、別れた友のこと…
誓いを立てたものの、全てが現実離れしていて信じようがなかった。
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