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「そんな事が…ジョルノ、正直信じられないぜ。でもお前の言うことなら信じざるを得ないか…で、頼みってなんだよ?」
「ああ、僕は今ブチャラティの遺志を継いで麻薬の撲滅に尽力してるんだ。それで最近、大きな麻薬組織の動きが掴めてね。幹部を確保して吐かせたら原産地がオーストラリアらしいんだ」
ジョルノは目を伏せながら話していた。
「それで俺がオーストラリアに行く、と」
「あぁ、そうしてもらいたいんだ。正直、君を巻き込みたくなかった…でもこちらの組織から向こうに寝返った者も少なくなくてね…信頼した奴を送り込みたいんだが、優秀な幹部は他の組織との抗争で今は居ないんだ」
「それで俺に白羽の矢が立ったわけねぇ…」
俺はわざとあからさまに眉間にシワを寄せた。
ジョルノの表情がますます曇っていく。
「うしっ!わかった!俺様が一肌脱いでやろぉじゃあねぇか!」
唯一無二の家族が困っているとあらば、助けるほかないだろう。
俺は立ち上がってジョルノの肩を叩いた。
「!、本当か!すまない、恩に着る!」
太陽の様な笑みでジョルノは叫んだ。
大きく叫びすぎたせいで周りの客が皆、ジョルノをまじまじと見つめていた。
ジョルノは少しはにかむと、てんとう虫のブローチを一つ俺に託して足早にテラスから去って行った。
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