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「終わった………」
猪が動かなくなったのを確認すると、レイルはその場で仰向けに倒れる。
(今のも…サイラスさんの修行が無かったら…死んでたかもなぁ……それより…)
――魔法が使えなくなっている。
この事実を、レイルは信じることができなかった。
右手を赤から紺色へと変わりつつある空に向け、火を灯そうとする。
しかし
「駄目…………か」
出てきたのは灰色の魔力。それもあっという間に霧散してしまった。
「ちくしょう………」
レイルは眼前に立ち塞がる現実に、呆然とする他なかった。
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