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「修ちゃん?」 「あ、いやなんでもない」 いけね、遠い目して芦田くん見ちゃった。 「さっきからそればっか」 向かいに座った彼は呆れた様に笑う。 「ごめん…」 報道記者になりたくて、必死で勉強して、手にした高学歴。 願い通り新聞社に入れて、希望通り報道部に入れて。 ……なのに今は、同じ会社のアート雑誌編集者で。 芸術なんて何ひとつわからない俺が。 「…はやく修ちゃんも報道戻れるといいね…」 彼が呟く。 キリッとした眉を少し歪めて。 「ん…」 薄くなる酸素 どうしてこんなに 毎日が苦しい .
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