第一噺

10/11
前へ
/28ページ
次へ
 有美の家に着き、お母様の了承を得て押入れを確認しに部屋にあがると、当時のまま片付けてなかった。 押入れをゆっくり開けると、そこにはみかんの箱が数箱置いてあった。  「有美が部屋はそのままにしておけってうるさくて、そのままにしておいたのよ」  背後からお母様の声が聞こえたが、僕は何の返答もせず、みかん箱を丁寧に開ける。 中には公園で飲んだみかんジュースの空き缶がびっしり日付入りで敷き詰められていた。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加