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3年前、アルトルージュ城
その日、アルトルージュは少し、いや、かなり退屈していた。側近であるフィナは私用で、リイゾはアルトルージュの命で城を空けていた。
外は大降りの雨で外に行く気もせず、かといって城の中に引き込もっているのも退屈である。やれる事といえばプライミッツてじゃれ合うか、本を読むくらい。
「はぁ、退屈ね。」
窓の傍に座り込み、雨を眺めるのも飽きてきた。
「何かいい暇潰しはないものかしら……。」
憂鬱気な顔をした時、コンコンとドアを叩く音が聞こえた。
「どうぞ。」
「失礼致します。」
入ってきたのはこの城にいるメイドの一人だった。この広い城には人間、非人間を問わずに大勢のメイドが常駐している。
彼女もそんな中の一人だ。
「アルトルージュ様、お客様がお見えになっています。」
「あら、今日は来客の予定は無かったはずだけれど。」
「はい。ですが先方が先方なのでお通ししました。」
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