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アルトルージュ城のとある一室。
「……痛っ!!~~~~~~っ!!……。」
「我慢しろ。たかだか拳で殴られたくらいだろう。」
「あの爺さんのパンチは半端ないんだよ。首がもげるかと思った。」
頬に氷袋を当てながらそう話すのは先程の襲撃者である少年、ソーヤ・ヘイゼルバーグと、ソーヤに治療を施しているのはこの城の主の従者、黒騎士リィゾ・バール・シュトラウトである。
「あ~もう、今回は絶対にふっ飛ばしたと思ったのに。」
「いい加減諦めたらどうだ?これで何回目だと思ってるんだ?」
「イヤだ。この3年間何度も襲撃を掛けてるけど一度も成功したことがないんだ。せめて一矢報いなきゃ、俺の気が済まない。」
「威勢がいいのは結構だが、相手は27祖の一角、宝石翁だ。今のお前程度じゃどうしようもないぞ。」
リィゾがそう言い放った時、扉を叩く音が聞こえた。リィゾは立ち上がり、扉に向かい、ドアを開ける。
扉の向こうにいたのは一人の美しい少女だった。
「おはようございます、アルトルージュ様。」
「おはよう、アルトルージュ。今日は少し目を覚ますのが早いな。」
「ええ、おはようリィゾ、ソーヤ。ソーヤが起こした爆発で目が覚めてしまったわ。」
この城の主、アルトルージュは皮肉気にリィゾとソーヤに挨拶をする。
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