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「なぁ、ミキ達遅ぇなぁー」俺達はあの後泉を一周してからホテルに戻ってきていた。「あぁ、そうだな」と俺が応える。確かにミキ達の帰りが遅い。夕方までに帰っていろと言ったのは、ミキなのにもう八時をまわっている。と、そのときミキ達が帰ってきた。ミキ達は洋館から帰る道がわからず、森で迷ってしまったらしい。心配して損した。夕食の後カイトがあの赤い手袋を見せて泉での計画どうり「死に神の手袋だぁー」と驚かそうとしたのだが、案の定誰も驚かず、結局その日は何も起こらずに終わった…‥。
次の日、俺達はイルミとミキの大きな声に起こされた。「神子ー!?どこにいるのー?」どうやら神子が居なくなったらしい。まぁ神子はいつもマイペースだから朝居なくなる事も不思議なことではない。かといって探さないというのも何だから、俺とカイト、ミキとイルミに別れて神子を探すことにした…‥。
‥…おかしい、どこを探しても神子が見当たらない。一度切り上げてカイトとホテルに戻ると、ミキ達が先に切り上げていた。ホテルに戻ってから、カイトがある異変に気がついた。
「手袋がなくなってる」カイトが言った。あの赤い手袋が無くなっているのだ。ホテルの中を探したが見つからない。
まさか、神子が持って行ったのか?いやそんなはずはない、昨日神子はその赤い手袋に興味を示さなかった。俺は心の中で自分に言い聞かせるように呟いたが、内心何か嫌な予感がしていたのだ。その予感が的中することになろうとは思いもしなかった…‥。
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