失われた存在

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お婆さん! そう心の中で叫びながらオレはお婆さんに駆け寄った お婆さんの側に行き、 お婆さんを抱き抱えた 胸の辺りからはたくさんの血が流れていた 「か、奏かい?」 お婆さんは聞き取るのも難しい声でオレを呼んだ (そうだよ!奏だよ!) 「アレックスを恨んじゃダメだよ… ワタシはこうされるくらいアレックスには、悪い事をしたんだから…」 (お婆さん…) オレの頬からは涙が流れていた 「葵を絶対に助けるんだよ… そして、二人で幸せにならなきゃ許さないからね」 (わかってるよ… だからお婆さんはそれを見届けてくれよな) オレはお婆さんに回復を施そうと 胸の辺りに手をあてた
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