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「暑っ……」
コンビニから袋を提げて出てきた一ノ瀬悠(いちのせゆう)は、思わず呟いた。
雲一つない晴天で真夏のような日差しが容赦なく降り注いでいる。
歩いているだけで汗をかくので、彼は夏が嫌いだ。
こういう日は家に籠っているのが一番と、足早に帰路へと着く。
先ほど、彼は高校で修了式を終えて、明日から夏休みに入る。
しかし毎年夏は、基本どこにも出掛けない。暑いからだ。
母親は朝早くから夕方遅くまでパートでいないので何も言われない。父親は離婚していない。
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