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「ミーの弟子によくも傷つけてくれましたね。殺しますよ」
「止めぬか。仕置きは必要じゃが、命を取らずともよいだろ」
「ふん、貴様らごときに絶対種が殺せるか。妾一人で十分じゃ」
「そう言うな闇の。こいつは史上最強と言われた我ら四賢者を怒らせたのだ」
シグが消えたことにより、サイクロプスの怒りは目の前の四賢者へ向けられる。
「とりあえずミー、暴れます!」
「やれやれ、連携もないもないの」
「賢者はそんなものだ。我も行く」
「まあ、妾の火力に巻き添えを食わねばそれでいいさ」
蒼の賢者はサイクロプスの顔の前まで上がり、紅の賢者は地面へ降り立つ。
「とりあえず、全力で仕返しします。…蒼は空の色。そして蒼を統べる賢者は空の支配者なり。周囲魔法陣展開、最広域…『無限の魔法地獄(インフィニット・ヘルマジック)』
「紅は肉体を示し、大地を司る。大地の地下に眠る憤怒を知れ。変身(トランス)・皇獣(ビースエンぺル)…我が牙は全てを引き裂く。『皇獣裂牙(こうじゅうさいが)』」
蒼の賢者が逃げ場がないほどの魔法の嵐を起こし、そしてその弾幕の中を潜り抜け獣人へと姿を変えた紅の賢者が、サイクロプスの腹部に風穴を開けた。
「どれ闇の、わしらも行くか」
「ふん、一発で十分じゃろ」
そして光と闇の賢者はその場で強大な魔力を放出する。
「目に見える光は全てわしの支配下にある。…太陽もな。『陽の聖天(ソーラ・ホーリム)』」
「闇は水の使い手。じゃが生憎と手元に水がない。もっとも、生き物の多くは肉体に水分を持つがな。…妾は全ての闇の支配者。『自血による残死(エーネド・ディアデス)』」
サイクロプスの頭上から巨大な光が降り注ぎ、さらに全身から血を噴き出して倒れた。
「闇の、その魔法はいくらなんでも残忍過ぎんか?」
「別に、絶対種ならこの程度では死なんからいいじゃろ」
「ちぇ、もう終わりですか。まだミーは足りないです」
「もういいだろ。こいつもしばらくは動けまい。今のうちに弟子の手当てをするぞ」
強力な絶対種も、史上最強と言われる四賢者を相手には五分と持たなかった。その力こそ、史上最強たる証。そして王達が手なずけられないほどの存在なのだ。
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