【言い伝えの神】

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「…お主ら、今の王家をどう思う?」 「いきなりじゃのう」 「確かに、外ではできぬような話だな」 「賢者が王家のことで密会なんて、王達の耳には入れられないですからね~」  話の重さに、場の空気が張り詰める。 「お前たちも気づいているだろう。グローリア王のことは」 「まあ民は騙せても、王家の血について知ってる者なら簡単にわかりますからね~」 「だが、我らが口を出すことではない。我々は賢者であり、王家ではないのだ」 「紅の、お前にはそれを言う資格があるまい。もっとも、わしにはもっとないがの」 「それで~、それがどうかしたんですか? 現状、とくにミー達に困ったことはないですよ」 「今日現れたサイクロプスが、召喚術で呼び出されたものだと言ったら?」  賢者の視線が一斉にアルエへと集まった。 「妾は魔物と会話をすることができるのは知っておろう。奴を住みかに運んだ時、いろいろ話を聞いたのじゃ」 「して、あの絶対種はなんと言っていたのだ?」 「奴はいきなりあそこに呼び出され、とりあえず側に居た者を敵だと思って攻撃したと言っていた。じゃが絶対種を召喚となれば、並みの魔法使いには無理じゃ」 「できるとすれば、ミー達賢者か、王家の者。それも複数人」 「確かに、いくら無限の魔力を持つレイブンの者でも、強大な魔法を一人で発動させることはできんからのう。…それで、王家が怪しいと?」  そしてアルエの表情は曇り、微かに震えているように見える。 「絶対という証拠はない。それに、かなりの実力を持つ上級魔道士が百人もいれば絶対種の召喚は可能じゃ」 「よいから話してみよ。聞いてみねば、わしらにも判断はできん」 「…あくまで妾の予想じゃが今回の依頼の目的は、シグとフィールの抹殺だったのではないかと思う?」 「それって、王家が身内を殺そうとしたってことになりますよ」 「だが、考えられなくはないな。…我も元王家の人間だ」 「アルエ、お前さんがそう思った訳を話してくれるか?」  アルエは、手に資料を現してテーブルの上に置く。
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