【言い伝えの神】

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「これからどうするのだ? 絶対種を呼び寄せたのが王家だという証拠はない。だがどちらにしろ、このまま放っておけば二つの大国は滅ぶかもしれん」 「まあ他の王家にとって、あの二つの大国が再び力を取り戻すのが怖い訳ですからね~。そのためにも、二人の命は守る必要があるか」 「それに、もしかしたらずっと二人を抹殺する気概をうかがっていたのかもしれん。…二年前に、フィールは一度賊に襲われている」 「確か依頼主が誰かは分らぬが、生きて連れて来いという命令じゃったらしいの。それも、最強種なんかを相手にするような武器を多く持っていさそうじゃし」 「その件についても調べたが、犯人までは辿り着けんかった。そのことからみても、妾は王家の者達だと思っておる」  どれぐらいの時間が立ったのか、すでにお茶は冷めていた。 「なんか、軽い気持ちで来たのに重い(ヘビー)ですね」 「我もこんな話をするとは思っていなかった。今日の絶対種が何だったのかという話だとしか考えていなかったからな」 「じゃがどうする? 仮に王家が犯人だとして、わしら賢者が出て行っていい問題かの?長い歴史の中、賢者は四人、王家は多数いたためいつも賢者は従ってきた」 「でも今は力をつけている六人の王に、力を失い始めている二人の王。そしてミー達は弟子を入れて九人…争えない数ではないね~」 「だが、王家が滅んでしまえば世界は終わりだ。恵みは完全に失われ、世界は滅ぶ」 「…古き言い伝えではそんな時、神が現れ世界を導くと言うがの」  どこの世界にもある言い伝え。この世界では、世界が滅ぶ時全てを消しさる存在があらわれ世界は消滅に向かうが、人の中から選ばれた者が神の力を授けられ世界を導くとある。
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