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「来るなら来い。お前の破壊神の力とオレの最硬の盾。どっちが強いか試してみたかったんだ」
「上等だ。俺が勝ったらわかってんだろうな」
「ああ、認めてやるよ。お前は強くなったってな」
シグも漆黒の鎧を纏い、互いに睨みあう。
「…止めて。じゃないと、あれを使うわよ」
「ふん、わかったよ。…いくらオレでも、フィールを相手にするつもりはない」
「おい、止めんのかよ」
睨みあう二人を威嚇するようにフィールも魔力を纏った。だが、それをみたシグは鎧を解いてしまう。
「当たり前だろ。お前は二年も一緒にいてフィールの怖さを知らないのか? 言っとくけどここに居る六人の中で一番強いのはフィールだ。…まあ、あくまで力だけではな」
六人と言うことはキサも含まれているようだ。
「…でも、シグが鎧を纏ってれば変わる」
「鎧纏っててもフィール相手じゃ命がけだよ。そんなのやってられるか」
シグが嘘をついてるようにも見えず、フィールの鋭い視線が痛いのでゼロも魔力を解く。
「でももし闘いになれば、全員キサに瞬殺されるさ。魔法を使ったり肉体強化をするより、キサがオレ達の息の根を止める方が間違いなく早いからな」
「シグ、私はそんなことしませんよ」
だが実際それだけの力を持っている。あの紅の賢者でも、魔力を纏ったり肉体強化をしなければしょせんただの人なので、常人の動きしかできない。だがキサは魔動人形であり、いくら人に近いといっても常人ではできないような動きに耐えられるようにできている。つまり、この場にいる者が魔力を纏ったり肉体強化をする前に瞬殺することが可能なのだ。
「安心しろよ。…多分近いうちに決着をつけることになるから」
シグは冷め始めたお茶を口へと運ぶ。
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