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「駄王のくせによく言うわ。妾は全て知っているのだぞ。貴様ら八王がぐるだってこともな! 貴様が偉そう―!」
「その依頼。闇の賢者の弟子はお引き受けします。…グローリア王」
「シグ!」
シグはわざとアルエの前に立ち、グローリア王と向かい合う。
「勝手は許さんぞ! 何かあったら」
「アルエ、僕は国を捨てたんだ。言い訳をするつもりはないよ」
「ぐ…しかしだな」
「他の賢者はどうする?」
「ミーの弟子はすごいってのを見せてやりますよ」
「我も問題はない」
「ほほほ、この子らが出たいと言うならばかまいませんぞ」
「決まりだな。では、仕事は明日の正午にお願いしよう。明日の朝、パルス国の近くに陣を張っておく」
そう言い残し、八人の王は部屋を出て行った。
「シグ、勝手に引き受けおって!」
「お叱りは後で受けます。シャドー、門(ゲート)開いて」
「おいこら話を―!」
アルエの影から現れた絶対種『影を歩く者(シャドー・ウォーカー)』によって、アルエとシグの姿は消えてしまう。
「あれがシグ・グローリアか。初めて見たが、確かにそれなりの実力はありそうだな」
「ふん、ミーの弟子の方がすごいんだ。なあコア?」
「うち、もう帰っていいですか」
蒼の賢者の側にいた少女はとても不機嫌そうな顔だ。まあ、蒼の賢者の下心が丸見えなのだが。
「ほほほ、わしも二年ぶりに見たが、体だけでなく精神面も成長しとるようようじゃの」
「…シグ」
「校長、明日は本気だしていいんでしょ?」
「これゼロ。こういう場では賢者じゃ」
「ふ、みんな相変わらずか。行くぞコウヤ」
「はい、師匠(せんせい)」
「わしらも行くとするかの」
その日は解散したが、全員の賢者が思っていること、それは自分の弟子が一番優れているということ。口には出さないが、それが賢者の自信と言うものだ。
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