為すはすなわち己なるも、有するはすなわち士なり

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隴西郡(ろうせいぐん)という中国でも西の端っこに位置するとこから董卓は生まれた。 「おうおう、よく来たな。ささ、冷める前にいただこう。」 董卓は西の端っこにいるためよく辺境の異民族のところへ行ってはよく交流していた。 「また会ったね董君、今日はどんなおもてなしかと思ったら君の大事な牛をつぶしちゃってるじゃないか」 牛といっても耕作に使う牛で秘蔵の酒を出したようなものである。董卓の客をねぎらう心意気を族長の異環風*は気に入った。 「これなら俺の土地の牛をじゃんじゃんあげるからまたこんな風におもてなししてくれよ」 「これくらい、朝飯前さ。いつでも来給え。」 族長らと董卓はよく遊びで闘っていた。腕っぷしの強い族長がたくさんいたのだが、そこでも董卓はさらに卓越していた。 異環風*は言う。 「董君、君なら中国中の強者達と闘っても生き残っていけるね。」「いやいや、異君、腕っぷしだけじゃ天下は取れないよ、だか異君のように怯えてて腰が引けてたら勝てないだろうけどな。」 「いやいや、俺も族長だ。本来ならなんの恐怖も持ってないさ。だが君の精神が異常なまでの強気なんだよ。」 董卓はその強気な精神と腕っぷしの良さを見込まれ、地方の軍隊に採用された。
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