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いつも彼らがしている遊びとは、頭の上に布で巻いて丸くした果実を頭に取り付け、先に果実を叩いた方の勝ちというものだ。お互い隠れたり罠に陥れたりするのだが、董卓に限っては守っていてもその力に負けて叩かれてしまうのだ。
「もらったー!」
ズンと重い振り下ろしをまともにくらって意識を失うこともまれじゃない。
たいして小細工はせず、真っ向から堂々と歩み寄って来る董卓にはなにか威圧感があった。そもそもたいした度胸はあまりかねそろえていなかった異環風*は足がすくんだそうだ。
さて、地方の軍隊に採用された董卓はトントン拍子で出世する。
かなり高い地位を得た董卓は黄巾族の制圧を任された。
「将軍、この度はいかがいたしましょうか。相手は黄巾族です、彼らは太平道の道を信じております故、どれほど果敢に抵抗するかわかりませぬ。」
副将としてついた馬介*と作戦をたてる董卓。
「まぁ確かにそうだが、所詮は宗教にかじりつく犬ころ同然だ。まぁ全力で叩きつぶせば簡単だろう。だが、そのような真似はしないさ、お前たちを無駄に死なせたりはしない。お前たちの辛さを知っている。」
「御意、それでは将軍の意志におまかせしましょう。」
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