83人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらくして、また真也の目の前に水晶が現れた。
水晶はシオンの姿に変わった。
真也「っ!!」
真也は目を丸くした。
真也(そうか…。そういえばシオンちゃんは刺客だったって、みんなが言ってたなぁ…)
シオンはいつもの暗い顔で真也を見つめる。
シオン「お兄ちゃん…あの時は…ごめんなさい…」
シオンは頭を下げた。
真也「謝らなくても大丈夫だよ。事情は美月ちゃんから聞かせてもらったよ。シオンちゃんは悪気があってあんな事をした訳じゃないって、ちゃんと分かってるからね」
真也はニッコリとシオンに笑いかけた。
シオン「あっ…」
真也の笑顔を見たシオンは、顔を赤くして俯いた。
その後、シオンは何か心配そうに真也を見つめる。
シオン「ねぇ…お兄ちゃん…?」
真也「なんだい?」
シオン「美月お姉ちゃん…元気?私…最後に美月お姉ちゃんに酷い事言っちゃて…」
真也は思った。
美月から聞いた話で、シオンが美月を姉でなく嘘つきと呼び、仲間達を全員殺そうとしたのは、一時的な怒りがそうさせただけだと。
本当はシオンも、美月を自分の姉として、いつまでも美月と一緒に生きて生きたいと、今でも思っていたのであった。
真也は静かに口を開く。
真也「美月ちゃんはあの後、シオンちゃんが本当の妹になってくれたらいいなって言ってたよ。酷い事を言った事は、シオンちゃんがちゃんと謝ればきっと許してくれるよ」
シオンはいつもの暗い顔の表情を変えた。
シオン「本当…!?」
真也「あぁ」
シオン「でも…私は美月お姉ちゃんと会えない…。お兄ちゃん…!美月お姉ちゃんに…私がごめんなさいって…言ってる事…伝えて…お願い!」
シオンは頭を下げた。
真也「分かった。必ず伝えるよ」
真也はニッコリとシオンを見つめた。
シオン「ありがとう…。でも…いくらお兄ちゃんでも…試練だから…手加減は…しない…」
シオンは顔を強ばらせた。
最初のコメントを投稿しよう!