一章 試練

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しばらくして、また真也の目の前に水晶が現れた。 水晶はシオンの姿に変わった。 真也「っ!!」 真也は目を丸くした。 真也(そうか…。そういえばシオンちゃんは刺客だったって、みんなが言ってたなぁ…) シオンはいつもの暗い顔で真也を見つめる。 シオン「お兄ちゃん…あの時は…ごめんなさい…」 シオンは頭を下げた。 真也「謝らなくても大丈夫だよ。事情は美月ちゃんから聞かせてもらったよ。シオンちゃんは悪気があってあんな事をした訳じゃないって、ちゃんと分かってるからね」 真也はニッコリとシオンに笑いかけた。 シオン「あっ…」 真也の笑顔を見たシオンは、顔を赤くして俯いた。 その後、シオンは何か心配そうに真也を見つめる。 シオン「ねぇ…お兄ちゃん…?」 真也「なんだい?」 シオン「美月お姉ちゃん…元気?私…最後に美月お姉ちゃんに酷い事言っちゃて…」 真也は思った。 美月から聞いた話で、シオンが美月を姉でなく嘘つきと呼び、仲間達を全員殺そうとしたのは、一時的な怒りがそうさせただけだと。 本当はシオンも、美月を自分の姉として、いつまでも美月と一緒に生きて生きたいと、今でも思っていたのであった。 真也は静かに口を開く。 真也「美月ちゃんはあの後、シオンちゃんが本当の妹になってくれたらいいなって言ってたよ。酷い事を言った事は、シオンちゃんがちゃんと謝ればきっと許してくれるよ」 シオンはいつもの暗い顔の表情を変えた。 シオン「本当…!?」 真也「あぁ」 シオン「でも…私は美月お姉ちゃんと会えない…。お兄ちゃん…!美月お姉ちゃんに…私がごめんなさいって…言ってる事…伝えて…お願い!」 シオンは頭を下げた。 真也「分かった。必ず伝えるよ」 真也はニッコリとシオンを見つめた。 シオン「ありがとう…。でも…いくらお兄ちゃんでも…試練だから…手加減は…しない…」 シオンは顔を強ばらせた。
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