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その日から病院に行くのを辞めた。
妹の事を考えるのがたまらなく辛かったから…。
親から容態が悪くなったと聞いても見舞いにも行かなかった。
医者の言うとおり、妹は年を越せなかった。
細くなった体で無理に笑う妹をもう見なくて済む、と思う自分がたまらなく嫌で、どうしようもなく情けなくなった。
葬儀にて、棺に入る妹の死に装束は高校の制服だった。
なんでも遺言らしい。
1度でいいからみんなに制服姿を見てもらいたい、お姉ちゃんにも見てもらいたい、と言っていたらしい。
これを聞いて初めて泣いた。
葬式の時も泣けなかったのに…。
馬鹿な姉だった。
結局、自分が辛くなるのが嫌で妹から逃げていただけだった。
最後に妹に謝りたかった。
でも、もう妹はいない……。
「お姉ちゃんは私の誇りだよ」
私が聞いた、妹の最後の言葉だった。
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