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「魔法使いじゃないの?」
「そう」
貴明は頷いた。
「じゃあさっきの指輪は?」
「ああ、あれ?なんか知らないじいさんから貰った」
可憐は肩を落とした。
「で、魔法って?」
今度は貴明が可憐に質問をする。
「自然を操る力、みたいなものよ。魔法使いによって使える魔法は限られてるの。私は風」
あまり理解出来なかったが、そんなことはどうでもいい。
「この姿、どうしよ」
「知らないわよ」
可憐の姿のまま、貴明の家に帰るわけには行かない。といって、帰らなければ母が心配するだろう。
「泊まらせて」
「やだ」
即答だった。
「いいだろ。同じ可憐なんだし」
「嫌よ。さっき私を押し倒したじゃない。効力は一ヶ月だっけ?その間に何されるか、わかったもんじゃない」
きつかった。最もだが、きつかった。
「あ、それと。指輪は私が預かるわ」
「何で」
「変な願いをされたら困るから」
貴明はしぶしぶドリリンを可憐に渡した。
「一ヶ月、よろしく」
「ダメだって」
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