~第二章~

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彼女の家。 一軒家だった。家族は出かけていていないらしい。 貴明は彼女の部屋に連れていかれた。 「私は可憐(かれん)。あなたは?」 可憐はベッドに腰かけている。 「俺は貴明(たかあき)。してもいい?」 貴明は絨毯(じゅうたん)の上で正座をしている。 「するって何を?まあいいわ。まず元の姿に戻ってくれない?」 「え?ああ」 貴明は可憐のことは好きだったが、彼女自身になることは望んでいない。 薬指にドリリンをはめる。 「元の姿に戻ってくれ」 しかし何も起こらなかった。 「あれ?」 指輪から返事が返ってきた。 「効力は一ヶ月です。それまでは何をしても戻りません」 貴明はドリリンを外し、よく見る。スピーカーらしいものはついていない。 「まあいいわ。何で私の姿になりたかったの?」 「いや、ホントはなりたかったんじゃなくて、俺のものにしたかったんだ」 可憐は顔を赤くした。 貴明はあっさり、別の言い方で「好き」といえたことに驚いた。
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