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「そ、それって、わ、私のことが、好きってこと?」
顔を赤らめ、照れている可憐は、かなり貴明の心にぐっときた。
貴明は思わず可憐を押し倒した。今は可憐の姿形であることを忘れてはいけない。
「ちょっ――」
可憐の拳が顔面に命中し、部屋の隅に吹っ飛んだ。
「あ、ご、ごめん」
しかし貴明は気絶していた。
目を覚ますと、可憐が目の前に座っている。
「あ、気づいた?ごめん。風の手加減がまだできなくて」
(風?なんのことだ?)
「でもでも、あなたがいけないのよ。いきなり、あんな……」
可憐は再び顔を赤くした。
「風って?」
「え?ああ、私の魔法。あなたは何の魔法?願いを叶える魔法なんて聞いたことないんだけど」
魔法。ああ、彼女はちょっと頭のネジがずれているのだろう。
だが、願いを叶える指輪。それつまり魔法。
よくわからないが、魔法はホントにあるのか。と貴明は思った。
「俺、魔法なんて使えないよ。てか、今初めて聞いた」
「へ?」
可憐はきょとんとした。
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