63人が本棚に入れています
本棚に追加
玉李の旦那と華の枕話の翌日、1日目に華を買った旦那はかなり酔っていた。
気分は天にも昇りそうだった。
流石、敷居の高い高級廓は一味も二味も違う物だ。
色んな道具に美味い酒。
そして、極上の女。
玉李にやるのは勿体無い程の。
自分も厳しい正妻さえ居なければ、夫人とはいかなくとも妾として囲ったろうに。
口惜しい……。
そう思いながらも旦那はニヤけた。
華は玉李の話を断ったのだ。
と、言う事は次の水あげ話が出るまで華はあの廓にいる。
華との睦事を思い出し。
明日も行こうと思い顔がニヤけていたのだ。
だから──。
後ろにいる人の気配など、気付きもしなかった。
ぷつり。と、何かが首に刺さった。
「……痛ッ」
少し遅れて、小さく悲鳴をあげ旦那は振り返り。
恐ろしい物を見た。
闇夜に月の光を浴び、光る鉈。
悲鳴は闇夜に消えた。
翌日、その旦那は頭を二つに割られ。
ザクロのような旦那が発見された。
最初のコメントを投稿しよう!