第1章 星の王子様

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「2人は、もう入る部活決めた?」  わたしは並んで座る茉莉花ちゃん達に尋ねた。 「まだ決めてはないけど、カッコイイ男の子がいる部がいいなぁ」  茉莉花ちゃんが小首を傾げると、緩く巻いた髪が揺れる。  高校で恰好良い彼氏を作るのが彼女の目標らしく、そのために、毎日のおしゃれにも気を抜かない。同じ女の子としては、頭が下がる。 「私は吹奏楽かな。中学の時もブラス入ってたし。まあ、説明聞いて雰囲気良さそうなら、だけど」  しっかり者の友希ちゃんは、既に目星が付いているみたいだ。 「そーゆーひなちゃんは、どこ入るか決めたの?」  訊き返されて、わたしは軽く首を振った。 「ううん、まだだけど……」  配布された部活紹介のしおりを開く。ぱらぱらと数頁捲ったところで、1つの部活名に目が留まった。 「……天文部、とか興味あるかも」 「天文部?」 「ひなたちゃん、星が好きなの?」  友希ちゃんの真っ直ぐな質問に、一瞬答えを迷う。 「う……う、ん。好き、かな?」  思わず口籠ってしまったが、 「ふぅん?」 「そうなんだ」  2人は特に不審に思うことなく納得してくれたみたいだった。
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