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「2人は、もう入る部活決めた?」
わたしは並んで座る茉莉花ちゃん達に尋ねた。
「まだ決めてはないけど、カッコイイ男の子がいる部がいいなぁ」
茉莉花ちゃんが小首を傾げると、緩く巻いた髪が揺れる。
高校で恰好良い彼氏を作るのが彼女の目標らしく、そのために、毎日のおしゃれにも気を抜かない。同じ女の子としては、頭が下がる。
「私は吹奏楽かな。中学の時もブラス入ってたし。まあ、説明聞いて雰囲気良さそうなら、だけど」
しっかり者の友希ちゃんは、既に目星が付いているみたいだ。
「そーゆーひなちゃんは、どこ入るか決めたの?」
訊き返されて、わたしは軽く首を振った。
「ううん、まだだけど……」
配布された部活紹介のしおりを開く。ぱらぱらと数頁捲ったところで、1つの部活名に目が留まった。
「……天文部、とか興味あるかも」
「天文部?」
「ひなたちゃん、星が好きなの?」
友希ちゃんの真っ直ぐな質問に、一瞬答えを迷う。
「う……う、ん。好き、かな?」
思わず口籠ってしまったが、
「ふぅん?」
「そうなんだ」
2人は特に不審に思うことなく納得してくれたみたいだった。
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