プロローグ

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それは、冬の寒い夜だった。 僕は走っていた。 何者かから逃げるように。 とにかく走った。 走って走って心臓が破裂するかと思うほど・・。 この光景は見たことがあった。 夜更けに何者かが自宅に訪れてきて、恐怖で堪らず、二階の寝室から十三段の階段を駆け降り、裏口から外へ裸足で出て目の前の二車線道路の歩道を全力で走って逃げている。 しかし、手枷、足枷が付いているかのような、まるでスローモーションのような夢。 多分これも夢なのだ。 悪夢なら早く覚めてくれ! いつものように・・・。
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