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部屋の中を見渡しても何もない。
部屋は狭く、机と椅子しかない所で隠れているのは不可能だ。
それでもまだ視線を感じた。
嫌な気配の視線だ。
ふと、上を見て視線の出所がわかった。
天井から逆さまに伸びた男の頭。
ぎょろりと目が動き、友喜の動きを追っている。
「うわ…」
つい声に出してしまった。
あまりの気持ち悪さに。
男の表情は半笑いのようだが、目は笑っていない。
暗い瞳には怨念がこもっている。
そして、生きた人間じゃなかった。
「なんだぁ?こいつ………タチ悪いだろ絶対…」
天井から頭を生やしている男は少しずつ少しずつ落ちてくる。
それと同時に口から血を滴らせ、血は頬を伝い、額を過ぎ髪の毛を伝って地面落ちる。
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