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夜、ここから見えるちょっとした夜景が綺麗なのだ。
まわりに高い建物はなく、意外に遠くまで見渡せる。
それに1人になりたい時は、この場所が最適だった。
今までここに誰かが来ることはなかった。
梓は床に座り込み、カバンを置く。
ブレザーのポケットからケータイを取り出した。
受信メールなし。
友達も少なく、ケータイが鳴ることは少ない。
ケータイをほうり投げるように置き、カバンからお菓子を取り出し食べはじめた。
飲食禁止の図書室でお菓子を食べる行為はちょっとワルになった気がしてなんだか楽しい。
3階は物置で本が汚れることはないからいいだろうとも思う。
ここは小腹がすいた時の逃げ場にもなっていた。
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