社長就任パーティー

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「なあ和久。お前は幸せもんだ。会社があるんだからな。俺のところは親父が潰して今はない」 大津も家業を継いでいたが、数年前に不渡りを出して倒産していた。 「1回目の不渡りを出した時には絶望的だったんだよな。それでもどうにかしようと親父は知り合いに土下座までして資金調達を頼んだ。俺は新規の顧客を捜すために深夜まで駆けずり回ったさ。だけどな、結果はダメだった。神様ってのは不平等だよな。努力すれば少しはチャンスを与えてくれると信じてた」 「大津……」 「努力は報われないこともある。倒産が決まった日は親父と泣いた……従業員も一緒に泣いた……どうして俺達の会社が……悔しかったぞ」 「………」 「従業員は職を失った。家族を養わなければならないのにさ、退職金すら出せなくて。給料だってかき集めた残りから払った。和久には倒産した後の悲惨さが分からないだろうな」 「それは……」
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