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「今の時代は貧乏人には地獄だ。努力しても潰れる会社は沢山ある。そんな中で福部商店は生き残ってる。それもギリギリじゃない。大手スーパーや企業との取引もある。この不況で個人商店をやれるってことが凄いんだ」
「そうだけど、社長になるのが不安なんだ。僕の代で潰れるかもしれないし」
「社長になる人間が潰れるなんて言葉を吐くな！ 和久、お前が福部商店を守るんだぞ！ お前だけじゃない。俺達も和久と一緒なんだ！ トップの力になるために頑張るんだ！ わかってんのか！」
滅多に怒らない大津の怒りの篭った言い方に僕は驚いていた。
「福部商店が立ち向かわないと中小企業の未来はどうなるんだ。福部商店だけじゃない。他の個人商店だって日々頑張ってんだ。商店街を見たか？ 寂れっぱなしだ。肉屋に魚屋、金物屋に洋服屋、自分の店を守るために汗水たらしてやってんだ！」
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