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だがそんなシナリオに従うほど俺はまだ自分の運命に悲観していない。運命よ、そこをどけ。俺が通る。
「あー‥‥あー、実はだなハルヒ」
「いっとくけど、あたしに誤魔化しは通用しないわよ」
通用しないわよと言われて、はいそうですかと本当のことをベラベラ喋るわけにはいかないことぐらい俺にでも分かる。ここは俺の天性のアドリブ能力でなんとか場をしのぐしかない。
と思案していた矢先だ。
「分かってるわよ‥‥みくるちゃんのことでしょ!?」
「は?」
何故ここで朝比奈さんが出てくる。
「最近妙に仲良いわねと思ってたのよ。そして昨日確信したわ。あんたが公園でみくるちゃんと密会してるの見たんだから!」
なんと! あの場にまさかハルヒがいただと!? しかも密会なんて誤解されるような表現を使いやがって。俺たちは何もいかがわしいことしてないぞ。
「というよりなんでお前が公園に‥‥」
「誰だって別れた後に小走りでどこか向かっていたら気になるでしょ!?」
別に気にならん。俺なら急いで家に帰ったんだなとしか思わないぞ。
というよりも尾行されていたとは。我ながら迂闊だったか。
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