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‥‥長門だ。こんな時は長門しかいない。
胸ポケットからケータイを取り出し、アドレスでナ行を探す。‥‥あった!
「頼むぜ長門‥‥‥」
そう寂しくも独り言を呟きながら、俺が受話器のマークのボタンを押そうとした瞬間だ。
ピンポーン
インターホンが静まる家に響いた。インターホンだと?
もう一度ピンポーンと鳴る。出るかでざるべきか。悩むまでもない。俺はケータイを持ったまま玄関へと向かった。こんな時に限って近所のガキのいたずらじゃないだろ。もしそうなら俺はゆっくりカレーを食べることにしてやる。
ドアを開ければそこにはまたもや見覚えのある顔が立っていた。言うまでもないが近所のガキじゃない。
「‥‥‥閉鎖空間です」
平和の象徴であるニヤケ面を無くした古泉がそこには立っていた。
「なんだと」
「閉鎖空間です」
「この野郎!!!」
俺はケータイを放り捨てた後、古泉に掴みかかった。古泉の顔がさらに苦々しいものへと変わる。
「あと6日あるって言ってたじゃないかお前!! それがなんで今日なんだよ、おい!!」
「お、落ち着いてください!! 争っている暇はないんです!!」
冷静でもなければ暴力まがいなことまでしてる。その上閉鎖空間が発生した理由を自分が告白しなかったと責められたくがないために古泉や、心の中では長門にまで責めていた。
‥‥最低だな、俺。
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