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「一体何故急激に閉鎖空間の範囲が広がったのかは、情けないことですが僕には分かりません。ですが今はその原因を探ることよりもこれを抑えることが先決です!!」
古泉が珍しくもそう声を張り上げると、胸ぐらを掴んでる俺の手を力任せに剥ぎ取った。機関とやらは超能力だけでなく、一応筋力トレーニングもつけさせているみたいだ。古泉が自主的にやってるだけかもしれんが。
ともかく、今は古泉の言うとおりそんなことを考えている場合じゃないようだ。古泉にそう怒鳴られ思考回路が少し冷静になってから気づいたが、俺の家以外は全て明かりが消えている。まるで人の気配がしない。
「‥‥閉鎖空間、って言ったな」
「ええ」
古泉はネクタイを結びながらそう答えた。家に帰ってからも学生服から着替えてなかったようだ。
「なんでお前がここにいる」
「それは‥‥ここは喜ぶべきなのかどうかは分かりかねますが、僕も貴方と同じく涼宮さんに招待されたからでしょう。5月の時とは違い、それほどSOS団の繋がりは濃かったということです。貴方や僕だけではなく、朝比奈みくるも長門有希もここにいるでしょう」
長門‥‥そうだ。
俺は古泉に背を向け、思わず後方に投げてしまったケータイを取りに行った。
「無駄ですよ。圏外です」
ケータイの画面を見ようとした時古泉がそう言った。圏外‥‥‥しまった、忘れてた。
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