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俺が真犯人は誰なのかを思惑していると、古泉達が飛んでやって来た。朝比奈さんが古泉にお姫様だっこされて顔を赤面させている。古泉、無事にこのことが終わったら覚悟しておいた方がいいぞ。新月の夜とかな。
「ええ、楽しみに待たせてもらいます。その為にも、これを早く終わらせましょう」
古泉がお得意のスマイルのまま学校へと歩み寄ろうとしたので、俺はそれを止めた。長門と話す前のこいつの様子から察するに、真相を知らなさそうだからな。
俺は朝比奈さんと古泉に長門から聞いた話をダイジェスト版で伝え、顔が青ざめていく朝比奈さんや笑みが消えマジな顔になっていく古泉達の反応を伺った。
古泉は話を聞き終えると、すぐさま俺に頭を下げた。おい、やめろ。
「いいえ、言わせてください。本当に申し訳ありませんでした」
「俺だってお前の胸ぐら掴んだたぞ。謝るのはむしろ俺の方なんだから、顔を上げてくれ」
オロオロする朝比奈さんを横になんとか古泉は顔を上げた。表情からは本当にホッとしたものが見える。筋肉トレーニングは知らんが、機関とやらはどうやら馬鹿丁寧な礼儀作法を訓練させてるみたいだな。
「古泉。ハルヒは今どこにいる? 学校にいると思うか」
学校をおおうゼリー壁を一瞥しながら、古泉は「断定は出来ませんね」と、不安残る返事をした。俺の告白の推理が外れていたから自信でもなくしたか?
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