変化

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達「…そうか、お前が考えなしに言ってないって事が分かってよかった」 仁「…僕は……無闇に危険に関わりたくない……」 達「だろう………お前も……特に妹たちはまだまだ幼いからな…」 仁「兄ちゃんがいないんだ……僕が……」 ふるふる体を震わせながら言葉を紡ぎ出す仁汰 達「いい、それ以上は」 達也はそれを言葉と手で抑えると真っ直ぐ仁汰の瞳を見据えた 少しの沈黙の後 仁「じゃあ…僕……いや、俺はこれで」 そう言うと仁汰は屋上の入り口から静かに立ち去って行った 「達也さん……?」 側近が促すように尋ねると、いい、と手を振りながら屋上から空を眺める 達「……すげえ血筋だよ…」 独り言のように呟く達也 石「……………………」 犬「え?達也さん、血筋って?」 達「いや……気にするな」  
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